愛しの親分 1話。
今日からしばらく親分のことについて
書いてみようと思う。
私は、小学校3年生のときに、ある町に引っ越した。
新しい小学校で新学期の初日に、一人だけ違う制服を着てドラマで見るような自己紹介をされ、その数分後には学級委員長に立候補する。
なんとも世間知らずな小学生だった。
そんな私にも、家族ぐるみで仲の良いお友達が出来た。
お友達の名前は、ハナちゃん。
ハナちゃんのママと、私のママは同じ仕事場ということもあり、お互いの家で寝泊まりするくらいの仲良しだった。
それから中学生に上がり、ハナちゃんは
市が運営する少年少女合唱団に入った。
私は、中学校のコーラスに入った。
二人とも歌が好きだったのだ。
中学3年生のとき、ハナちゃんが新聞社が主宰の歌のコンテストに応募するから…
と、私を一緒に受けよう!と誘ってきた。
これが運命の分かれ道だった。
ハナちゃんはコンテスト予選落ち。
私は本選まで残り、入選してしまったのだ。
高校は、私は音楽専門の高校。ハナちゃんは普通科の高校へ。
お互い大学も県外へ行き、それから疎遠になってしまったのだが…
相変わらず、お互いのママは仲良しだった。
私は大学卒業して、大学も音楽専門の大学だったので音楽の仕事をしながら生活していた。
ある日、実家に里帰りして久しぶりに地元のデパートに化粧品を買いに行くと、ハナちゃんがいた。
10年以上ぶりに再会したのだ。
それから1か月後のこと…
ハナちゃんのママから連絡が来た。
「うみちゃん。今度そっちに遊びに行こうと思うんだけど会えない?」
「もちろん!楽しみにしてます。」
10年以上ぶりに、ハナちゃんのママに再会。
ハナちゃんから再会を聞いて、ちょうど私のいるところに旅行に行くから…
と、連絡をくれたのだ。
ハナちゃんのママの横には、一風変わったオバサマがいた。
「初めまして。」
夕食を共にして、しばらくすると
そのオバサマは、
「あのね。あなたたちに是非会わせたい凄い人がいるのよ。」
と、カラオケハウスに連れていかれた。
そのカラオケハウスに、小さくてたくましくて人懐っこい女性が現れた。
それが親分だ。
つづく
umi
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